1. HOME
  2. デッドボール

デッドボール

花鳥風月という言葉は耳にしたことはあっても、特に気に留めたことのない言葉でした。
40代後半で人生の何度目かの谷底を経験し、そこから抜け出そうともがいている途中、夕焼けに染まる野山の風景に目を向けた瞬間、今までに見たことのない絶景が目の中に飛び込んできました。
何の変哲もない晴れた龍江の夕方、何度も通った道、何度も見上げた空。それなのに、変わらないはずの景色がこの上ない絶景に見えたのです。それが、毎日、毎日移り変わる景色も同じような感覚で目に入ってきます。日を追うごと、年を重ねるごとその感覚は強くなってきました。
花鳥風月は、日本の四季折々の自然や、それを愛でる心を表す四字熟語で、年齢とともに惹かれるものが移り変わることも示すそうです。
人生の谷底を何度も経験し、気がつけば50歳を過ぎていました。
まだ若いつもりでいても、着実に老いているのだと実感した経験でした。
しかし、こんな素敵な感覚を味わえるなら、老いることも悪くないと思えます。
どうにかこの感動をとどめておきたくて、iPhone片手に写真を撮り、いつか娘の使っていないミラーレスを奪って撮影する日を楽しみに、老いを味わって過ごそうと思います。 (Y・K)

最近の記事