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龍江の未来を切り拓く#2

龍江の未来を切り拓く「Professional (プロフェッショナル)」を独断と偏見、自由奔放、縦横無尽に訪ねる企画。
第2回目は前澤隆志さん。龍江地域づくり委員会の副会長を経て、現在農業や伝統文化を通して龍江の子供たちに何を伝えようとしているのか、龍江のこれからを担う若者へのメッセージをお聞きしました。

まぁ何か作ろうじゃねぇか

-長年、保育園児や小学生の教育事業に携わってくださっていますが、きっかけはなんだったのでしょうか。

前澤 平成18年度まで青少年健全育成会っつーのがあって、副会長をやっとって、組織の改革で平成19年度に龍江地域づくり委員会という今の組織が立ち上がって、やってみよーっつうことで、今年まで11年間だな、やってきたんな。今年でもう卒業させてもらいたいって思ってるけどな(笑)最初はな、子供たちになぁ、大豆を蒔いてやらしたのかなぁ。

-一番最初は大豆が始まりだったんですね。

前澤 そうそう、大豆を蒔いて、そいでまぁ何か作ろうじゃねぇかっつーことで。目的は、とにかくな、まぁ保育園の園児たちがな畑行って、ギャーギャー言いながら蒔いて何ができるかっつーとこを見せようかってことでな。

(信濃毎日新聞の切り抜き「農業と食に関心を持って」を取り出して)大豆の取り掛かりの一番最初は平成28年6月28日ってあるでな、最初はな、何をやるにも金っていうか、出るところはないもんでな、公民館を巻き込んで始まってな。ほいで、場所はな、桃山(畑)の上のとこなんだけどな。そこの畑は(当時の)市会議員の土地で草ボウボウだったもんで、そこを開墾してなぁ。俺のうちは川端だもんでな、トラクターで上がっていくのに時間がかかっちゃってな、畑を耕すのはわずかな時間だでなぁ、ほいでなぁトラクターだもんでゴロゴロ上がっていくじゃん、後ろから車にピーピー鳴らされてな、まーず上がってくのめんどくせーなって思ってな(笑)

園児たちが外で喜ぶっつうかな、そういうのがな一番楽しい

-年間を通してどんなことをしているんですか?

前澤 3月にじゃがいも植えて、その前に玉ねぎも植えてんだけどな、6月に玉ねぎの収穫。7月にじゃがいもの収穫で9月に大根の種まき。10月にさつまいもの収穫と11月に大根の収穫と玉ねぎの植え付け。年間を通してそんなことをやってるかな。なんつーかな、事業計画じゃないけどなそんなことをやってるな。

-その間、世話をずっとしているんですよね?

前澤 うーんと、そうだな。だもんでな、えらいのは畑づくりよ。草を削ったりな、間引きをしたりしんどいから、一人じゃないけどな。事業計画を踏襲っつうか、毎年これを続けとる。ホントな俺の希望としたらな、保護者にな、もうちょっと興味を持ってもらってな、ちょっと顔を出してもらってな、園児たちがやっとるところを見てもらえるといいんだけどな。そうするとな、園児がな、その後、保護者にこういうことを言ったっていう声を聞いたんな。じゃがいもを植えるときにな、切った方を下にするんだとかな、玉ねぎを植えるときはな、白いところまで土を被せるんだとかな。そうやって園児に保護者が教わったとか言ってきてな(笑)昔の知恵じゃないけどな、そういうのを園児が教わって帰ってきたとか言ってな。お便りでしか知らんくたっていいんだけどな、だけどな園児たちが外で喜ぶっつうかな、そういうのがな一番楽しい。そういっちゃおかしいけどな(笑)

昔からの伝統文化ってのを大事に

-前澤さんはどんな作物を作られているんですか?

前澤 定年プラスα会社におって、それから百姓だもんでな今年で78になるんだけどな、龍江で他の人がやっていないことをやりたいなって思ってな。巨峰とピオーネとシャインマスカットをメインにはじめて、あと米作りだな。

-前澤さんから見た龍江の子どもたちの様子ってどうですか?

前澤 みんな興味を持ってやってくれるもんでな、将来龍江を頑張ってやってってくれるんじゃないかなっていう希望を持ってやっとる。龍江にもな、昔からの伝統文化ってのがあるんね。例えば、和紙な。楮(コウゾ)を切ってきてなぁ、それ煮て、最後はトロロアオイを入れて和紙を梳くとか、昔はやったんだけどな。今はな春日神社に和紙の里って碑があるんだけどな、今の子供達にはな、わからん。当然だけどもそういう伝統的なものをどっか一つでも記憶に留めといてもらうといいかなぁと。まぁ龍江にはな、昔からの伝統文化っていうかなちょっとしたことでも廃れちゃっているけども、なんとか記憶に戻してなんとか今後に活かしてもらいたいってのが今後の希望だろうな。色々あるんだよな、小学校の先生にも言っとるんだけど。正月行事っていっぱいあるじゃん。それはやらにゃやらんで済んじゃうことだもんで別にいいんだけども、なんていうかな、昔からの伝統文化ってのを大事にこれからもみんなで頑張って継続してもらいたいなっていうのが希望だな。

例えばな、もうすぐ年末になるら。小学校に行ってな、おやすづくりなちょっとした時間でいいで、やるかなって言ってな。それ前にも、学校の先生からとにかく電話が来たんだよ。「七月にちょっと七夕祭りをやりたいんですが、どうしましょう・・・」とか言ってな。「じゃあ先生、短冊作りな」って言ってな。「こより」ってのを先生知らんのだよな。買ってくれば綺麗なやつがあるんだけど、「子供達にこよりづくりをやらしな、昔やったことをなやりな」ってな。

-子供達やその親の世代にどんなことを伝えたいですか。

前澤 龍江にみんな住んでもらいたい。龍江をな、みんなでプラスαの思考で頑張ってもらいたいんだよな。あんまりな、大きいことは言えんけども昔の人間はな仕事をよくしたと思うんだよな朝作りだとかな、夕方な、夜は夜で仕事やったりな。収入はなかったかもしれんけど、朝から晩まで真っ黒くなって働いたもんだ。三遠南信だとか、リニアがくりゃ、この地域も変わってくるもんで、龍江ももっと将来に向かって、地域づくり委員会が中心になって頑張ってもらいたいな。

~取り組みの紹介~

-和紙づくり
平成26年から龍江小6年生を対象に実施。作った和紙は児童の手によってランプシェードに。
平成29年度和紙づくり資料 (PDF形式)

-小学校クラブ活動(伝統文化)
平成26年から龍江小4~6年生を対象に実施。前澤さんは伝統文化クラブの講師として竹のおもちゃづくりや豆腐づくりなどを教えていただいています。

-野菜づくり(食育体験事業)
平成19年から龍江保育園児を対象に実施。収穫した野菜は給食でいただきます。

この他にも「おやすづくり」や「七夕かざり」など季節のものづくりのご指導をいただいています。