<この人>伝統ある家と農地を継ぐ/新規就農 大原嵩穂(たかほ) さん
東京都出身の大原嵩穂さん(29)が、龍江(更生)で4月から新規就農者として歩み出した。令和6年3月に移住し、2年間の研修を経ての独立となる。
大原さんは、農業の道を志して農業法人に勤務し、野菜栽培の経験を積んできた。父方の実家がある飯田には、お正月などの長期休みに訪れる程度で、特に小さい頃から農業に興味があったわけではない。転機となったのは、かつて果樹を営んでいた実家の現状だった。後継者問題や祖母の体調により、リンゴの木が切り倒される様子を目の当たりにし「もったいない」と感じたという。現在は家を継ぐ人がいないことから、築130年の家を守りつつ農業をしていきたいと考えている。
研修では特産の市田柿とキュウリを学び、「自分の性格に合う」と感じたキュウリ(5a)をメインに、市田柿(25a)と共に手がけていく。移住当初は研修先と自宅の往復で地域との接点が持てずにいたが、現在は農業者の集まりに参加して少しずつ知り合いも増えており、今後は消防団への入団も予定している。
「農業を軌道に乗せ、家を維持したい」と語る大原さん。「温かい目で見守っていただければ」と話す。